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ハワイ大学シミュレーション教育セミナー ~JP Fundamental Simulation Instructional Methodsを受講して~

NO.15

ハワイ大学シミュレーション教育セミナー ~JP Fundamental Simulation Instructional Methodsを受講して~

平成27年度 岡山大学病院 松岡 勇斗 先生

 
私がたすき掛け先の市中病院で研修医として働いているとき、一通のメールが大学から送られてきました。-ハワイ大学シミュレーション教育セミナ-岡山大学在学中にも同じような公募があったその内容は、よくよく詳細を読めば教育者として学びに行く内容でした。

 学生時代、本セミナーをマネージメントされている万代先生とお話しする機会があり、その際に、「医師は、医療者であると同時に研究者であり、教育者でもある。」と言われたことが非常に印象的でした。時は経ち、実際に研修医として働く日々の中で、on-jobであれoff-jobであれメディカルスタッフへ指導する場面に直面することが増えてきました。それは病態生理の解説や、患者急変時のシミュレーション、緩和医療の症例検討など。そして「教育者としての医師は、研修医の時点からスタートしており、教育能力を高める必要性がある。」との考えに至りました。そのような日々の中で、目に飛び込んできたメールの内容に、私はすぐに興味を惹かれました。あえて参加するしないを深く考えようとせず、少しでも参加に迷ったのなら参加しようと決め、今回応募させていただきました。

 ハワイ大学でセミナーを受講して感じたことが大きく三つあります。一つは、海外でシミュレーション教育は当たり前のように学生教育の中に浸透しているということ。二つ目は、TeachingとCoachingではスキルが大きく異なりCoachingがシミュレーション教育のカギを握ること。三つ目は、教育者の教育シミュレーションも必要であるということです。
 最初のレクチャーでは、ハワイ大学で行われている学生を対象としたシミュレーション教育の現状でした。回数を重ねるごとに要領を身につけ、意図を理解したハワイ大学医学生の姿は、シミュレーション教育の質の大切さと同時にその頻度の重要性も気付かせてくれました。
 また講師の先生が強調していた点が、TeachingとCoachingの違いです。Teachingとはすなわち詰め込み教育であり、Coachingは-例えるならボクサーのセコンドのようなもの-学習者自身に問題点を気付かせ、そして答えも自分たちで見つけさすこと。まさにFacilitator(促進者)として機能することの重要性を教えていただきました。その為に、αTest(シミュレーション計画者同士での予行)・βTest(第三者を対象に予行)を重ね、その質を担保するトレーニングをセミナー三日間で行いました。
 今回のセミナーで、シミュレーション教育のスキルが満足するものに至ったとは、受講者全員が思っていませんでした。参加されたどの先生方も、そして自分も、いかにして日本でシミュレーション教育を実施していくか、そして教育者としてのスキルをどう上げるのかを考えておりました。結果、シミュレーション教育の機会を増やすと同時に、教育者としてのスキルアップを目指していかなければならないと感じました。そのためにも本セミナーで実施した内容を、広めていく必要性があると実感しました。

 今回の研修で得たスキルを、日々の臨床(on-job)で実践してスキル向上を目指すよう、常にCoachingの意識を持って指導することを心がけて参りたいと思います。
最後に、熱心にユーモア交え講義してくださったBerg先生やJanet先生やHara先生、本セミナーをマネージメントしてくださり、わかりやすい通訳もしてくださった万代先生、さらにはご多忙のなか、このような有意義なセミナーを開催してくださった先生方、スタッフの方々、事務の方々に厚く御礼申し上げます。

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