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看護の現場にもっと疫学の知識を

NO.35

看護の現場にもっと疫学の知識を

平成28年度 疫学衛生学教室 MPHコース 修士課程2年 有吉 真季子 さん(看護師)

 
私は、平成26年度に新たに岡山大学医歯薬総合研究科に設立された、MPHコースの修士2年の有吉と申します。岡山県内の大学を卒業し、県内の病院で主に急性期の病棟を中心に看護師をしておりました。某病院の急性期病棟で働いていたときには、心を落ち着けてゆっくりと休むことなく、ひっきりなしに運ばれてくる救急患者さんの対応に追われていました。

 そんな私がなぜ大学院に入ろうと思ったのか。それは、私自身が患者さんに本当に必要なことをしているか、力になれているか、自信がなかったからです。そして、看護の力が患者さんにどのように影響しているかを知れるツールがあれば、もっと看護師が自信を持って働けるようになるのではないかと考えるようになりました。しかしながら、我々看護師は医師とは違い、診断や、病気に対して投薬や手術のような治療はできません。看護という技術は、我々の声掛けや態度もさることながら、治療が行われている環境にも大きく左右されるため、指標となるツールを見出すことはとても難しいのです。
 当初は保健看護学科の大学院を志しましたが、看護学科の先生より、医歯薬学で新たにMPHコースが設立されたため、そこで学べる手法の中でなら、新たな学びがあるかも知れないと勧めて頂きました。そして、多少の不安もありましたが、看護ではなく医歯薬学の研究科を思い切って受験し、運よく合格を頂きました。

 教室に入ってからというもの、現場では見ないような数式、また英語のシャワーに正直驚きを隠せませんでした。英語が得意な人は別ですが、私は苦手だったので最初はとても辛かったですが、不思議なもので徐々に耳や目が
慣れてくると、先生方が講義してくださる「疫学」の魅力が(本当に)少しずつですが、理解できるようになりました。
 日本は少子高齢化に伴い、病院や施設の現場だけでなく、保健医療・公衆衛生の場面でも様々な問題が出てくると考えられます。対象となる患者さんに生じている問題が、どのような原因で起こっているのか、なぜ起こるのか、その因果を紐解いていくのが疫学です。その知識こそ、現場で患者さんに身近に接している看護師に必要な技術であると思います。実際、米国では、看護師は、”Registered Nurse”(登録ナース、俗にいう日本での現場で働く看護師)の位置づけだけではなく、患者さんを観察し、よりよい看護を提供するために疫学や統計を駆使する”Researcher”しても活躍しています。また、看護師だけでなく全てのコメディカルが、現場の問題に向き合える”Researcher”としての眼も持つべきべきだと考えています。

 教室の先生方には、気さくに、分かりやすく丁寧に指導して頂いています。そんな教室の中で、自由な発想を持った様々な職種・分野から来られた生徒の皆さんと一緒に学んでいます。先生方だけでなく、生徒の皆さんの経験や知識などにも触れる機会にもなり、様々な意見を聞くことが出来る貴重な場所となっています。
 これからMPHコースを受験しようと考えている方に、今後疫学衛生教室でお会い出来ることを楽しみにしています。

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