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PIONEシンポジウムに参加して

NO.43

PIONEシンポジウムに参加して

平成28年度 岡山大学医学部医学科2年 岩本夏林さん

 

最も印象的だったことは、同じテーブルについていた八十代のおばあちゃんが新見の医療について真剣に考えていたことである。彼女は認知症についての話が聞けるからという理由でPIONEシンポジウムに参加したとのことであるが、その後のグループワーク『県北の医療を考える』にも参加してくださった。そして、「医療人に地域に根付いてもらうには?」という問いに対し「子どもを預かることの出来る施設をつくるべきではないか」といった積極的な意見を出してくださり、ディスカッションを大いに盛り上げてくれた。


 その姿は、地域医療について真剣に憂いているのは他でもない住民の方なのだということを私に思い出させてくれた。都市部と異なり、プライマリケアも高次医療も一手に担わなければならない地域医療は、やりがいはあれども忙しい。それでも自分の住む地域に医療を届けてもらうために、医療人に根付いてもらわなければならない。では、そのために自分に何が出来るのか。そんなところまで、住民の方の考えが及んでいるとは、正直、実際ご本人を目の前にするまで思ってもみなかった。


 私は、本で住民主体の活動などを学びながらも、『医療とは人々のニーズに応え続けなければならない、地域から孤立したものである』と、どこかで思っていたように思う。でも、実際に医療問題に対して主体的に向き合ってくださる住民の方を前にして、『医療もこういう方たちに頼って良いのだ』という実感が得られた。


地域全体で創り上げる医療福祉というものを肌で感じられたということが、私にとっての最大の収穫であったように思う。

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