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事業概要

平成24年度「医学部・大学病院の教育・研究活性化及び地域・へき地医療支援人材の確保」で選定された本事業は、特に岡山県北部における内科及び救急領域の診療の支援と地域医療教育の充実を図る取組です。この取り組みによって、岡山県におけるへき地医療拠点病院のうち、岡山県が医師派遣を要請していた5病院中2病院に医師派遣が可能となります。また、特に救急医療の充実が課題となっていた新見医療圏にはへき地医療拠点病院及び救急告示病院の2病院に医師派遣を行うことにより、救急医療の充実への貢献が期待されます。また、岡山大学では平成21年度の地域枠導入を契機として地域医療教育の新カリキュラムを取り入れており、地域医療人材育成講座が中心となり学生教育を行っていますが、本事業で任用された教員は、地域医療の現場において、また、大学病院において教育に従事し、地域医療教育においても重要な役割を果たすことが期待されています。

本事業の目的・必要性

医療は、大病院だけで完結するものではなく、一人ひとりの患者さんの背景には退院後の地域での生活があります。患者さんとご家族に寄り添い、地域に根ざした医療を提供できる人材を育てるため、岡山大学では入学後、早期から地域医療の現場で実習や講義を行っています。

補助事業について

本事業は、文部科学省 大学改革推進等補助金(大学改革推進事業)「医学部・大学病院の教育・研究活性化及び地域・へき地医療支援人材の確保」に選定された事業であり、文部科学省が次のとおり定義しています。

平成24年度医学部・大学病院の教育・研究活性化及び地域・へき地医療支援人材の確保:

大学病院に優秀な若手医師を教員として採用し、教育や研究活動を活性化するとともに、地域の医師不足対策に貢献する取組を支援する。

事業目的

若手医師が医学部・大学病院において教育や研究活動に従事できる環境を整備するとともに、地域医療支援人材として地域の医療機関で診療に従事することにより医師不足対策に貢献する。

事業計画

派遣先病院

事業計画地図
  • 真庭市国民健康保険湯原温泉病院
    (呼吸器内科・外科・麻酔科)

  • 医療法人真生会新見中央病院(消化器内科)

  • 医療法人社団思誠会渡辺病院(救急科)

  • 医療法人清梁会 高梁中央病院(腎臓内科)

  • 笠岡市立市民病院(麻酔科・外科)

  • 岡山市立市民病院(救急科・麻酔科)

第一次事業計画

  1. 6月 消化器内科、呼吸器アレルギー内科、救急科の医師を特任助教として採用。
  2. 6月 岡山県の要請により、新見医療圏の救急体制強化のため消化器内科の医師を新見中央病院へ派遣を開始。同様に、救急科の医師を渡辺病院に派遣。また、真庭医療圏の呼吸器診療の強化のため呼吸器アレルギー内科の医師を湯原温泉病院に派遣を開始。
  3. 8月 岡山県地域医療支援センターによる現地視察実施。
  4. 9月 早期地域医療体験実習を上記の病院において実施。実習期間中に地域医療人材育成講座教員による現地視察実施。
  5. 9月 早期地域医療体験実習の成果報告を岡山県庁において開催。
  6. 12月 岡山大学地域枠学生、広島大学ふるさと枠学生、自治医科大学学生による学生連絡協議会を実施。その際上記特任助教も出席。
  7. 2月 岡山大学地域医療シンポジウムを開催。その際上記特任助教も出席。
  8. 3月 中四国地域医療フォーラムに出席(平成24年度愛媛大学主催)、本取り組みについての成果発表。​

第二次事業計画

  1. 8月 麻酔科蘇生科、腎臓内科の医師を特任助教として採用。岡山県の要請により麻酔科蘇生科医師を湯原温泉病院、笠岡市立市民病院及び岡山市立市民病院に派遣を開始。同時に腎臓内科医師を高梁中央病院に派遣開始。
  2. 9月 消化管外科の医師を岡山県の要請により、特任助教として採用。岡山県の要請により湯原温泉病院および笠岡市立市民病院に派遣を開始。
  3. 9月 早期地域医療体験実習を上記の病院等において実施。実習期間中に地域医療人材育成講座教員及び岡山県地域医療支援センターによる現地視察実施。
  4. 9月 早期地域医療体験実習の成果報告を岡山県庁において開催。
  5. 10月 「プライマリ・ケアハンズオンコース(シミュレーション研修)」の定期開催を開始。他大学の見学を行う。
  6. 12月 岡山大学地域枠学生、広島大学ふるさと枠学生、自治医科大学学生による学生連絡協議会を実施。その際上記特任助教も出席。
  7. 1月 ハワイ大学Simtikiセンターで行われる Healthcare Provider courseに新規採用助教、地域医療機関の指導者(岡山大学臨床教授など)、地域医療人材育成講座教員が参加。
  8. 2月 岡山大学地域医療ハンズオンセミナー開催。
  9. 2月 岡山大学地域医療シンポジウムを開催。その際上記特任助教も出席。
  10. 3月 中四国地域医療フォーラムに出席(平成24年度愛媛大学主催)、本取り組みについての成果発表。​

実績

第一次

  1. 6月 岡山県北部のへき地医療拠点病院においては、若手医師派遣の実施により内科及び救急体制の充実を図り、新見医療圏においては内科・救急領域の診療支援を行うため、消化器内科、呼吸器アレルギー内科、救急科の医師を特任助教として採用した。
  2. 6月 岡山県の要請により、新見医療圏の地域医療貢献のため消化器内科の医師を新見中央病院へ派遣、救急科の医師を渡辺病院に派遣、真庭医療圏の地域医療貢献のため呼吸器アレルギー内科の医師を湯原温泉病院に派遣を開始した。
  3. 6月 岡山県地域医療支援センター岡山大学支部教員とともに現地視察実施。
  4. 視察風景1
  5. 9月 1年生早期地域医療体験実習を上記の病院等において実施。特任助教が実習先での学生教育を一部担当。実習期間中に地域医​療人材育成講座教員による現地視察実施。
  6. 3月 岡山県庁にて本事業及び早期地域医療体験実習について成果報告。
  7. 8月 湯原温泉病院にて岡山大学地域枠学生、広島大学ふるさと枠学生、自治医科大学学生を対象とした合同セミナーを開催。12月上記大学の学生連絡協議会を実施。
  8. 2月 岡山大学地域医療シンポジウムを開催。その際上記特任助教も出席。
  9. 3月 中四国地域医療フォーラムに出席、岡山大学の取り組みについて発表。

第二次

  1. 8月 麻酔科蘇生科、腎臓内科の医師を特任助教として採用。岡山県の要請により湯原温泉病院、笠岡市立市民病院及び岡山市立市民病院(麻酔科蘇生科)、高梁中央病院(腎臓内科)に派遣開始。
  2. 9月 消化管外科の医師を岡山県の要請により、特任助教として採用。岡山県の要請により湯原温泉病院および笠岡市立市民病院に派遣を開始。
  3. 9月 早期地域医療体験実習を上記病院等において実施。実習期間中に地域医療人材育成講座教員及び岡山県地域医療支援センターによる現地視察実施。
  4. 視察風景2
  5. 3月 岡山県庁にて本事業及び早期地域医療体験実習について成果報告。
  6. 10月 「プライマリ・ケアハンズオンコース」の定期開催を開始。
  7. 手技指導
  8. 8月 湯原温泉病院にて岡山大学地域枠学生、広島大学ふるさと枠学生、自治医科大学学生を対象とした合同セミナー を開催。12月上記大学の学生連絡協議会を実施。
  9. 1月 ハワイ大学Simtikiセンターの Healthcare Provider courseに特任助教、地域医療人材育成講座教員等が参加。
  10. ハワイ大学
  11. 9月 湯原温泉病院、1月 吉永病院にて特任助教が地域医療ハンズオンセミナーを実施。
  12. 湯原BLS
  13. 2月 岡山大学地域医療シンポジウムを開催。
  14. 3月 中四国地域医療フォーラムに出席(平成24年度愛媛大学主催)、本取り組みについての成果発表。
    ※その他:第46・47回医学教育セミナーとワークショップ(WS)、 AMLSインストラクターコース、臨床外科学会に特任助教を派遣。特任助教による教育研究を開始。

成果

第一次

  1. 消化器内科、呼吸器アレルギー内科、救急科の医師については、地域医療貢献と大学での教育研究の両立ができる意欲と能力を持った医師であり、学内および地域における波及効果は大きかった。また、全員が大学病院ではクリニカルクラークシップ及び卒後臨床研修の指導医を務めた。
  2. 消化器内科医師:週31時間新見中央病院で勤務、検査、病棟回診、救急外来を担った。医師不足の地域において、専門性の高い技術の提供を行い、さらに新見地区の小学生の職場体験実習などで地域に貢献した。呼吸器アレルギー内科医師:週31時間湯原温泉病院で勤務、内科外来診療及び救急当直、へき地診療所の当番医などを担った。高齢化の進む真庭市北部地域の中核病院かつ唯一の救急告示病院である同院の外来患者の大半は種々の基礎疾患を持つ高齢者が占めており,呼吸器内科医の果たす役割は非常に大きかった。救急科医師:月48時間渡辺病院救急外来及び岡山市立市民病院ERでの勤務を行った。特に、渡辺病院は岡山県の二次医療圏で最も医師数が少ない地区に位置し、同医師は救急輪番日の当直・日直業務を担うことで現場医師の疲弊の軽減に大いに貢献した。上記3名の医師は、それぞれの医療機関における研修医の地域医療研修及び学生の地域医療実習の指導も積極的に行った。
  3. 派遣先医療機関を視察することにより、本事業の目的や達成項目について派遣先病院の管理者と確実な情報共有が可能となった。
  4. 1年生早期地域医療体験実習において現地視察を行うことで、地域の実情、上記医師の教育の実際を確認できた。
  5. 岡山県庁で本事業及び学生実習について成果報告を行い、地域医療教育の重要性について認識を共有できた。
  6. 特任助教の派遣先のひとつである湯原温泉病院でセミナーを行うことにより、将来地域医療を担う学生の意欲を高めることができた。将来地域医療を担う学生連絡協議会を行うことで、学生同士の連携を強めることができた。
  7. 岡山大学地域医療シンポジウムの開催によって、実習での学びの内容を定着、深化させることができた。
  8. 中四国地域医療フォーラムに出席、本事業の成果について発表した。
    ※本事業で雇用された助教の学術的成果:学会等発表(国内10回、海外2回)、セミナー参加3回、「ひらめきときめきサイエンス」にて中高生の指導参加1 回。​

第二次

  1. 麻酔科蘇生科、腎臓内科の医師については、地域医療貢献と大学での教育研究の両立ができる意欲と能力を持った医師であり、学内および地域における波及効果は大きかった。麻酔科蘇生科医師は月48時間湯原温泉病院、笠岡市民病院、岡山市民病院で麻酔業務を行った。腎臓内科医師は高梁中央病院において週32時間の勤務を行った。外来では、慢性腎臓病を中心とする生活習慣病の診療に加え、急性期疾患の診療や必要時の総合病院への転院搬送を行っており、慢性疾患に加えて急性期疾患の診療を行い、地域に貢献している。さらに、維持透析患者の全身管理、合併症への対応を行い、地域の医療に大きく貢献した。上記2名の医師は、地域医療機関における研修医の地域医療研修及び学生の地域医療実習の指導、大学での学生教育も積極的に行った。
  2. 消化器外科医師については、本人の専門であるシミュレーション教育のスキルを生かし、外科外来診療、手術サポートのみならず、地域での出前研修、研修、大学においての学生指導、インストラクター業務など多岐にわたる貢献を行った。湯原温泉病院と笠岡市民病院をあわせて月108時間勤務した。
  3. 1年生早期地域医療体験実習において現地視察を行うことで、地域の実情、上記医師の教育の実際を確認できた。
  4. 岡山県庁で本事業及び学生実習について成果報告を行い、地域医療教育の重要性について認識を共有できた。
  5. 特任助教は学生実習において定期的なハンズオンコースを開催し、5年生全員の教育に貢献した。特任助教の派遣先のひとつである湯原温泉病院でセミナーを行うことにより、将来地域医療を担う学生の意欲を高めることができた。将来地域医療を担う学生連絡協議会を行うことで、学生同士の連携を強めることができた。
  6. ハワイ大学Simtikiシミュレーションセンターにおける指導医対象教育セミナーに特任助教や地域医療人材育成講座教員等が参加することにより、一層高い指導スキルで学生・研修医の指導ができるようになった。
  7. 医師不足である県北部等の地域の医療機関でハンズオンセミナーを行い、地域での教育の波及に貢献した。
  8. 地域医療シンポジウムの開催によって、地域医療実習での学びの内容を定着、深化させた。
  9. 中四国地域医療フォーラムに出席、本事業の成果について発表した。
    ※本事業で雇用された助教の学術的成果:論文発表(英文誌2篇、和文誌1篇)学会等発表(国内9回、海外1回)、セミナー参加7回、研究助成獲得1件。